[ 講演内容 ]
     
韓国における取り組み
姜 哲煕 Chul-Hee Kang(高麗大学教授)
     
  [プロフィール] 

‘95-Present Professor, Korea Univ.
‘07-Present Chairman, IPTV Forum Korea
‘00-‘07 President, Assoc. of National Univ. ITRC (Information Technology Research Center)
‘00-‘03 V.P., Executive V.P., President, KICS(Korean Institute of Communication Sciences)
‘98-‘01 Commissioner, KCC(Korea Comm. Commission), Ministry of Info. & Comm.
‘80-‘94 Chief, Director & Vice President, ETRI(Elec. & Telecomm. Research Institute)
‘71-‘80 BS, MS, Ph.D. in Waseda University, Tokyo, Japan
     
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[講演内容要約] 

【韓国の標準化活動】

韓国国内における標準化作業の進め方のしくみ、標準化機関、標準化にかかわる人材育成と学術会の専門家の参加状況と成果、今後の課題等についてのご報告と、その中でのアカデミアの役割についてご紹介したいと思います。

韓国では企画から評価まで標準化活動の全プロセスはTTA( Telecommunications Technology Association)という民営機関によって包括的に管理されています。下部組織として標準化委員会、韓国ITU、標準化のコンソーシアムをサポートする委員会が設けられ、通信事業者と国の研究機関と各界の専門家達が連携して標準化活動全体をサポートしております。

ここでは国内と国際社会において韓国技術がデファクトスタンダードとなるための戦略的な活動を目標として、大学や企業の開発機関との情報共有や市場のニーズにこたえる為の産業の促進など様々なプロジェクトやフォーラムを行っています。今までの活動業績としてはWiBROの標準化、DMB(固定・移動体向けデジタル方式マルチメディア放送)の標準化、携帯電話のミドルウエアの標準化等があり、携帯電話周辺機器(充電器・コネクタ)の標準化も進めています。これは年間約$350Mのコスト削減に繋がるといわれています。


【現状と課題】

人材育成の面では、標準化委員会は国内技術の競争力や国際標準化を促進する為、2001年からICTテクノロジー・アンバサダーとして専門人材の選抜/支援を行っています。現在までに韓国から派遣された議長・副議長を含むITUの委員の総数は、アメリカ・フランス・日本に次ぎ世界で4位になっています。

標準化の専門家には、企業の利害関係から離れた中立的な立場にある企業からの提案または企業間の問題に対する調停役、新技術や各研究へのコンサルティングなどの活動が期待されていますが、TTAの標準化委員会委員の約半数は主要なメンバー企業からの人材が占めており、今後は中小企業からの参加者をさらに増やすことが必要であるといわれています。

アカデミアからの参加者の比率は、全体の10パーセント程で、中でも議長などリーダーシップを発揮できる地位についているのはその中の約20%という数字になっています。又、国際的に、ITU全体に対するアカデミアからの専門家が36%を占めているのに比べ、韓国ITUで活動している専門家については、アカデミアからの参加者は13%と少ない比率であります。


【まとめ】

アカデミアからの人材の活用には、先生方が外国の大学で経験したノウハウをもとに技術を中長期的に分析することや、特定の立場に偏らないコンサルティングが可能であることなどがあげられます。しかし先生の立場からは、理論と現実の違い、または標準化活動への参加に必要な準備や時間の負担という問題があります。先生方の活動に応じた予算や支援の負担の枠組みなどは、パートタイマーとして参加する立場である大学の先生方の活動を活性化させていく上で大きな課題であります。将来にむけた産学連携、標準化人材の育成ということと合わせ、新しい支援体制の創成も検討しながら産業界・政府・大学が力を合わせた積極的に取り組みが期待されています。



以上
 
BNC FORUM2009 プログラム

講演内容 INDEX + WEBパネルディスカッション


基調講演 『GITI ALLIANCEの実現に向けて』
富永英義(GITI ALLIANCE主宰)


パネル討論T 
『産学連携におけるパラダイムシフト』


国際標準化作業における産学連携の仕組と課題
淺谷耕一 (工学院大学教授)

国際協調における取り組み
花澤隆 (NTT取締役 研究企画部門長)

プロイノベーション時代の研究開発戦略
〜製造業から見た産学連携と標準化〜

広崎膨太郎 (NEC 代表取締役 執行役員副社長)

中国における取り組み
牛志升 Niu Zhisheng(Deputy Dean, School of
Information Science and Technology, Tsihnghua University )


韓国における取り組み
姜哲煕 Chul-Hee Kang(高麗大学教授)

AICとアジアにおける取り組み
Khairuddin Ab Hamid
(Vice-Chancellor/CEO, University Malaysia Sarawak)



パネル討論II 
『移動通信システムのオープン化とパラダイムシフト』


携帯電話の進化とオープン化
竹田義行 (NTTドコモ執行役員)

オープン志向のWiMAX: 「日本の」携帯電話とどこが違うか?
冲中秀夫 (KDDI執行役員 技術渉外室長)

ビジネスにおけるネットワークの展望
弓削哲也 (ソフトバンクテレコム専務取締役専務執行役員
兼CTO技術統括 研究本部 本部長 渉外部担当)


ネットワークの融合におけるOSのあり方
郡山龍 (アプリックス代表取締役)

EUにおける現状
Geoff Morrison (Chief Devices Researcher,
Broadband Applications Research Centre, BT Innovate)
     
     
     
 
   
   
     
       
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